第411章

財団の設立にあたり、発起人である前田南は記者会見の場に立っていた。

眼下では無数のフラッシュが焚かれ、前田南と、その側に佇む望月琛に向けてマイクの砲列が突きつけられる。記者たちは先を争うように質問を投げかけてきた。

「前田さん、そして望月さん。今回、急遽この財団を設立された経緯をお聞かせ願えますか」

前田南はふわりと優雅に微笑み、堂々とした態度で応じる。

「設立のきっかけは、私の娘が白血病を患っていたことです。先日、娘は無事に全快し、新たな生を得ることができました。その際、幼稚園のご縁で貧しい家庭の雪ちゃんという子に出会ったのです。世の中には私の娘と同じように病魔に苦しみながら、経済...

ログインして続きを読む